CFP認定者の倫理原則

はじめに

この「CFP認定者の倫理原則」は、CFP認定者が実務を提供する場合、順守しなければならない倫理基準を一般的な用語で示す。各原則に続く解説は、原則の意図を説明するためのものである。各原則はあるべき姿を規範的に表し、CFP認定者がファイナンシャル・プランニング専門家としての適切な行動を取るための指針を提供することを目的としている。

第1原則 顧客第一

顧客の利益を最優先させなければならない。
顧客の利益を最優先させることは、専門家であることの証であり、CFP認定者は正直に行動し、自らの利益及び都合を顧客の利益に優先させないことが求められる。

第2原則 誠実性

誠実性をもって専門的サービスを提供しなければならない。
誠実であるためには、専門家としてのすべての行動において正直であり公平無私であることが必要である。CFP認定者は顧客から信頼される立場にあり、こうした信頼の根源となるのは、CFP認定者の人間としての誠実さである。誠実性という表現に関する法律上の見解の相違は許されるが、原則の軽視及び虚偽は許されない。CFP認定者は、誠実であるために、倫理原則の文面だけでなくその精神に従うことが求められる。

第3原則 客観性

客観的に専門的サービスを提供しなければならない。
客観的であるためには、知識に基づいた正直さ及び中立性が必要である。客観性の原則を順守するために、CFP認定者は、いかなるサービスをどのような裁量で提供する場合においても、業務の誠実性を守り、利益相反を管理して専門家としての健全な判断を行使することが求められる。

第4原則 公平性

専門家としてのすべての関係において、公平で道理をわきまえていなければならない。また、利益相反を開示し、管理しなければならない。

公平であるためには、業務契約についての情報を顧客に提供することが必要であり、重要な利益相反の開示が求められる。利害のバランスを保つために、CFP認定者は、自らの感情、偏見及び欲望を制御することも必要である。公平性の原則を順守するために、CFP認定者は、自らがそう扱われたいと思う方法で他人を扱わなければならない。

第5原則 専門家意識

専門家としての模範的な態度で行動しなければならない。
専門家として、顧客、同僚及び業務上の関係者に対し、品位があり敬意を持って礼儀正しい態度で接し、適切な規制、規則及び実務要件に従わなければならない。専門家意識を持つCFP認定者は、自身で又は他の専門家と共に、職業に対する社会的なイメージ及び生活者の利益へ貢献する能力を維持し、向上させなければならない。

第6原則 専門的力量

専門的力量に満ちたサービスを提供するために、必要な能力、スキル及び知識を維持しなければならない。
専門的力量を得るためには、顧客に専門的サービスを提供するために適切な水準の能力、スキル及び知識を習得し、それらを維持することが必要である。これらに加えて、CFP認定者は、自身の限界を認識し、どのような場合に他の専門家に相談することが適切であるか、どのような場合に他の専門家を紹介することが必要であるかを判断することも求められる。CFP認定者は、専門的力量を得るために継続的に学習し、実務能力の向上に努めなければならない。

第7原則 秘密保持

顧客のすべての情報を保護しなければならない。顧客の情報は、権限を持つ者だけがアクセスできる方法で保護され、管理されなければならない。CFP認定者は、不適切な情報漏洩の防止について理解することにより、顧客との信用及び信頼関係を構築することができる。

第8原則 勤勉性

勤勉性をもって専門的サービスを提供しなければならない。勤勉であるためには、時宜を得た完全な方法で専門家としての責任を果たすことが必要である。勤勉性の原則を順守するためには、CFP認定者は、専門的サービスを適切に計画、管理及び提供することが求められる。

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